「アプリは月数ドルから」と書いてあっても、DBや独自ドメインを足すと結局いくらになるのか。個人開発で公開先を選ぶときは、最小価格だけでは予算を決めにくいものです。
見積もりでは、構成を維持する基本料金と、利用量に応じた料金を分けると比較しやすくなります。まず公開方式による料金の読み方を整理し、後半でKamuiDashの個人プランを使って具体的に計算します。
KamuiDashのNanoアプリ1レプリカとNano DBを30日使う基本料金は税抜$9です。料金は2026年11月2日の公式の料金・仕様に基づき、請求総額の上限ではありません。掲載する金額は米ドル・税抜の計算例です。
この記事の内容
最初に「何を動かすか」を3つに分ける
説明ページのようにHTML・CSS・JavaScriptだけを配信する場合、常駐するWebサーバーやDBが不要なこともあります。ログイン後の画面やAPIを動かすならWebサーバー、利用者の登録内容を残すならDBが必要です。画像・添付ファイルなどの永続保存も、DBと別に見積もります。
KamuiDashでは静的サイトの公開基本料は$0ですが、HTTPリクエストやデプロイなどの対象従量料金は別です。「静的サイトの基本料が無料」と「どんな使い方でも請求がゼロ」は同じではありません。
公開先ごとに、料金モデルの読み方を揃える
同じ「月額」でも、含まれるリソースと、利用枠を超えた場合の計算が違います。プランの入口の価格だけを並べるより、アプリとDBを動かす同じ条件で読み直します。
| 公開先の例と料金の根拠 | 最初に読む項目 | 比較時の確認点 |
|---|---|---|
| Render | ワークスペースのプランと、コンピュート・DBなどの料金 | 必要なアプリとDBを別々に数え、含まれる利用量や追加料金も確認する |
| Railway | プランの基本料、そこに含まれる利用枠、消費リソース | 基本料に含まれる利用分を、もう一度そのまま足さない。枠を超えた差額の扱いを読む |
| Cloud Run | CPU・メモリなどの利用量、選ぶ課金方式、無料枠 | 常時稼働の価格と同じ見方にせず、リクエストや稼働の条件、DBなど別サービスの費用も加える |
| KamuiDash | アプリの台数・稼働時間、DB、各費目の従量料金 | 30日価格と請求月の違い、アカウントで共有する無料枠、DBごとの含有時間を確認する |
この表は料金の構造を比較するためのもので、同じアプリを各社で動かした実測料金ではありません。各社のプラン、リージョン、DB容量、必要なリソースが揃ってから、自分の利用量を当てはめます。
まず「アプリ1台・DB1つ・ファイル保存の有無・月の通信量・更新回数」を書き出します。基本料に利用枠が含まれるサービスでは、基本料と使用量を単純に足すと二重に数えることがあります。枠の適用単位まで確認してから合計します。
RenderとKamuiDashの30日間の費用を比べる
Webアプリ1台とPostgreSQL 1つを30日間運用します。RenderはHobbyワークスペースの有料サービス、KamuiDashは個人プランを使います。金額は税別の米ドルで、Renderは公表月額、KamuiDashは720時間分を使った見積もりです。30日間の使用量が1回の請求月に収まる例です。無料枠はこの構成だけで使い、独自ドメインやオブジェクトストレージは含めません。
少人数で使うアプリ:最小の有料構成
月10万リクエスト、外向き通信2 GB、ビルド・デプロイ30分、DB処理2時間と仮定します。両社ともこの例の従量追加料金は$0です。
| 項目 | Render | KamuiDash |
|---|---|---|
| アプリ | 512 MB・$7.00 | Nano、256 MiB・$3.00 |
| PostgreSQL | DBコンピュート$6.00+ディスク1 GB $0.30 | Nano、3 GiB込み・$6.00 |
| 合計 | $13.30 | $9.00 |
この例ではKamuiDashが$4.30安くなります。両社の最小プランを使うため、KamuiDash側はアプリが256 MiBに収まることが前提です。512 MiBが必要ならSmallになり、Nano DBとの合計は$11です。Render公式料金表 · Render公式の課金内訳 · KamuiDash公式の仕様・料金
利用者が増えた小規模システム:メモリ1 GB以上とDBディスク10 GB以上
アプリのメモリ1 GB以上と、PostgreSQLのディスク10 GB以上を満たすプランを選びます。Renderは有料Webサービスの次の枠が2 GBです。DBのコンピュートとディスクは別に選べるため、DBコンピュートは256 MBで足りると仮定します。KamuiDashはアプリがMediumの1 GiB、DBもMediumの12 GiBです。
月100万リクエスト、課金対象の外向き通信15 GB、ビルド・デプロイ100分、DB処理24時間を想定します。ビルドとデプロイは課金対象の工程が異なるため、それぞれの計測値が100分だった場合の例です。
| 項目 | Render | KamuiDash |
|---|---|---|
| アプリ | 2 GB・$25.00 | Medium、1 GiB・$10.00 |
| PostgreSQL | コンピュート$6.00+ディスク10 GB $3.00 | Medium、12 GiB込み・$16.00 |
| HTTPリクエスト100万件 | 件数での別課金なし | 50万件超過・$1.00 |
| 外向き通信15 GB | 10 GB超過・$1.50 | 10 GB超過・$2.50 |
| ビルド・デプロイ100分 | 500分の枠内・$0 | 100分の枠内・$0 |
| DB処理24時間 | 処理時間での別課金なし | 4時間超過・$2.00 |
| 合計 | $35.50 | $31.50 |
この例ではKamuiDashが$4安くなります。DBディスクの容量とDBコンピュートのメモリは別の要件です。Render側でDBメモリも1 GB必要なら、DBコンピュートが$6から$19になり、同じ利用量で合計は$48.50です。CPU、DBの接続上限、バックアップなどの条件も、利用するプランごとに確認してください。Render公式料金表 · Renderのコンピュート仕様 · Renderの外向き通信 · Renderのビルド時間 · Render公式の課金内訳 · KamuiDash公式の仕様・料金
計算例:KamuiDashのWebアプリ+DB
ここからはKamuiDashの個人プランを使った具体例です。2026年11月2日時点で、アプリは1レプリカあたり、DBは1 DBあたりの30日価格です。
| 種別 | Nano | Small | Medium | Large |
|---|---|---|---|---|
| Webサーバー/1レプリカ・30日 | $3 | $5 | $10 | $18 |
| PostgreSQL/1 DB・30日 | $6 | $10 | $16 | $26 |
同じアプリを2レプリカにすると、同じ時間・同じスペックのアプリ基本料金は2台分になります。DBも自動的に2つ必要になるわけではありません。
| 構成例 | 30日間の基本料金 | この金額に含めていないもの |
|---|---|---|
| Nanoアプリ1台+Nano DB | $3+$6=$9 | 従量超過、独自ドメイン、ストレージ、税など |
| 上記+独自ドメイン1つ | $3+$6+$1=$10 | ドメイン自体の購入・更新料、従量超過、税など |
| Nanoアプリ2台+Nano DB | $3×2+$6=$12 | 従量超過、独自ドメイン、ストレージ、税など |
プラットフォームが発行するURLは無料です。独自ドメインの$1はKamuiDashへの登録にかかる30日料金で、レジストラーへ払うドメイン取得・更新料金とは別です。登録から削除までが対象で、DNSや証明書の設定が完了する前も料金期間に含まれます。
「月額」と30日価格は少し違う
基本料金は30日=720時間を基準に、稼働時間と台数で計算します。31日間ずっと使う場合、端数処理前の額は30日価格の31/30です。税や端数処理もあるため、30日の表の金額をすべての月の請求総額として固定しません。
アクセスがない時間も、稼働中の基本料金は発生します。スリープしない構成の費用は、リクエストが来た時間だけを数える仕組みとは分けて考えます。
従量料金は、費目ごとに無料枠を引く
| 費目 | 無料枠・含有時間 | 超過分の単価 |
|---|---|---|
| HTTPリクエスト | 1アカウント・請求月あたり50万件 | 100万件あたり$2 |
| 対象の外向き通信 | 1アカウント・請求月あたり5GB | 1GBあたり$0.25 |
| デプロイ時間 | 1アカウント・請求月あたり100分 | 1分あたり$0.02 |
| Nano DBの処理時間 | 1 DBを30日使う場合5時間 | 処理1時間あたり$0.50 |
アクセス・通信・デプロイの無料枠は、同じ個人アカウント内のプロジェクトで共有します。アプリを増やしても無料枠がアプリごとに増えるわけではありません。請求月はJSTの毎月1日から翌月1日の直前までです。
DBの含有処理時間はDBごとに適用し、当月の利用期間で按分されます。DBを起動している時間そのものではなく、各接続でSQLを実行している経過時間の合計です。実行中の待機も含み、次のSQLを待っている時間は含みません。同時に実行すると接続ごとの時間が合算されます。
ファイル保存と外部サービスも予算に入れる
オブジェクトストレージには無料枠がなく、保管と操作に料金がかかります。保管は1GB・月あたり$0.025で、各日の最大保存容量から計算します。書き込み、読み取り、ダウンロードURLの発行にもそれぞれ単価があります。
画像を100GB置いた場合の保管だけの例は月$2.50ですが、アップロード・取得などの操作料金は別です。アプリ・DBの基本料金が無料になるトライアル中でも、ストレージは有料です。
メール配信、外部認証、AI API、ドメイン取得などを組み合わせるなら、そのサービスの費用も加えます。KamuiDashにアプリを置いたことだけで、外部サービスの料金まで含まれるわけではありません。
安く始めるときも、容量と同時接続を見る
Nanoアプリのメモリ上限は256Mi、Nano DBのストレージは3Gi、アプリ接続上限は6です。単価が合っていても、ビルド・実行時のメモリやDB接続数が自分のアプリに足りるかを確認します。
たとえば接続プールを各プロセスで5本持ち、2プロセスを動かすと、最大で10本を使い得ます。DBの接続上限6に対して、そのままの設定では収まりません。台数・プロセス数・プールの上限を一緒に決めます。

1台構成は費用を抑えられますが、再起動中の短時間の停止を許容する必要があります。2台にすれば無停止が保証されるわけでもありません。個人プランにはSLAが付帯しないため、必要な可用性に合わせて構成とプランを考えます。
使い始めたら、見込み額と実際の使用量を比べる
見積もりは、使い始めた後に修正するものです。初月は、アクセス・通信・デプロイ・DB処理のどれが増えたかを確認し、不要な繰り返し取得や重いSQLを調べます。
無料枠や含有時間の通知が来ても、HTTP・通信・デプロイ・DB処理が料金上限で自動停止する仕組みではありません。超過分は課金されます。ストレージの操作予算は別の仕組みなので、すべての料金に共通する上限だと受け取らないようにします。
よくある疑問
30日無料なら、最初は一切請求されませんか?
無料トライアルは、対象のアプリ・DBの基本料金が30日間無料になるものです。従量超過、独自ドメイン、オブジェクトストレージなどは対象外です。無料期間の終了後に使い続ける条件も確認してください。
DBを使わなければ、もっと安くできますか?
DBが不要なアプリならDBの料金を省けます。ただし、残すべきデータを一時ディスクへ移して費用を下げると、再起動や再デプロイで失うおそれがあります。必要な保存方法を先に決めます。
最初の予算は、アプリの台数、DB、稼働時間、独自ドメインから作れます。その上に、通信・処理・更新・ファイル保存の見込みを足すと、「最小価格」から自分のアプリの費用へ近づけられます。
料金確認日:2026年11月2日。金額・上限・端数処理の詳細は公式の料金・仕様を優先してください。
KamuiDashは、GitHubやAI連携からWebアプリを公開できる東京リージョンのPaaSです。